「地域を守り 未来を創る」

 愛媛県議会議員 山﨑ひろやす



愛媛県議会議員として

◉所属会派 

自民党

◉常任委員会

環境保健福祉委員会 副委員長 (令和7年度)

観光スポーツ文教警察委員会 副委員長(令和6年度)

経済企業委員会 副委員長(令和5年度)

環境保健福祉委員会(令和4年度)

経済企業委員会(令和3年度)

スポーツ文教警察委員会(令和2年度)

農林水産委員会(令和元年度)

◉特別委員会

防災減災エネルギー対策特別委員会(現期)

少子高齢化人口減少特別委員会(1期)

◉政党役職

自由民主党愛媛県支部連合会

広報委員長

組織対策副本部長

学生対策副部長

          


私のプロフィール

私は1963年生まれの61歳。久万高原町で生を受けて15歳で松山の高校へ。妻、長男の3人家族。

昔から頼まれることが嫌と思わない性格で人の先頭に立つ役回りを引き受けて来ました。

みなさんと意見を交わし、みなさんの声を形にしていく、それがわたしの生き方です。

 

◉学歴

昭和38年 久万高原町生まれ

昭和54年 久万町立畑野川中学校 卒業

昭和57年 愛媛県立松山西高等学校 卒業

昭和61年 松山商科大学経済学部 卒業

 

◉その他の活動

愛媛県モルック協会 会長

済美平成中等教育学校PTA 顧問

松山青年会議所シニアクラブ 役員

NPO法人四国スポーツ環境リレーション 副理事長

愛媛県立松山西高・中等教育学校同窓会 監事

愛媛龍馬の会 事務局長

日本防災士会愛媛県支部 理事

(公社)日本道路協会 会員

 

【過去】

松山青年会議所シニアクラブ 会長(平成29年度)

砥部町宮内小学校PTA 会長

伊予郡市PTA連合会 理事

愛媛県私立中学高等学校保護者連合会 副会長

済美平成中等教育学校PTA  会長 

 

◉資格

剣道二段

防災士

 

◉趣味

モルック アウトドア・キャンプ


私の志

 

見る、聞く、感じる。

そして行動する。

未来の創造への提言。

急速に変化を深める現代。

地方は、産業構造の想定を越える変化と人口減少に、未来の姿を描けなくなっています。振り返れば、そうした変化は突然起きたわけではありません。人口減少問題は30年も前から指摘され、産業構造の変化は日々に感じていました。

南海トラフ地震も30年内に70%の確率で起こると言われ、日本土木学会の試算では損失額は1140兆円を超えると言われ「日本が最貧国になる可能性がある」と指摘されています。人口減少の30年と同じように、手をこまねいているわけにはまいりません。

①強い地域づくりで課題に向き合う。

わたしが務めるNPOの活動では震災直後の石巻・女川に支援活動を展開しました。その経験は、強い決意に変わっていきました。

隣の人の顔も知らないという生活者も増えていくなかで、真に強い地域は災害に立ち向かう力がありました。地域を強靭化する、このことが求められています。

強い地域は災害に強く、目配りの行き届いた子育てにも優れた環境になります。

❷地方を、経済主導のみだけではない活性化策を提案し実行してまいります。

地域に根差す素晴らしい伝統的な文化や産業を再生させます。

藝術は、人々の心を豊かにし、人と人のつながりを濃密にしていくことでしょう。

強靭な地域づくりには欠かせない重要な構成要素です。

また伝統芸能などによる移住促進や、定住対策にも取り組みたいと考えています。

❸多面的な社会福祉を考えます。

わたしは長く保険業を営んでいます。さまざまな現場に立ち会い、さまざまな人生の相談に寄り添ってきました。

そうした中で感じるのは、若者は将来に希望が見いだせず無力感を覚え、社会参加意欲を失いかけています。

子供や若者が明るい未来を描けなければ、社会福祉もどうにもならない。

地域と社会福祉と子育て環境は実は全てしっかりとした関係性の中にあるのです。

活性化された地域、美しい街並みや里山があり、子供たちの声が響く。

わたしは、そうした地域を取り戻し築いていきたいと念じて活動をして参ります。



今思う事。

愛媛県議会議員として2期目をスタートしてから約2年が経過しました。

 

 長く続いたコロナ渦が明け、元の生活に戻れると安堵しましたが、ロシアによるウクライナへの振興は既に3年が過ぎ。国際情勢は落ち着きを見せません。アメリカではトラフ大統領が2度目の政権に着き強気の戦略を貫いています。国内では昨年元旦に能登半島地震が発生、愛媛県でも南海トラフ大地震臨時情報が発表され、危機が迫ってきている事を肌で感じています。

 東日本だ震災から14年。先日、宮城県女川町の沖にある女川町にある出島に橋が架かり、陸地部と繋がりました。この島と私には縁があります。発災から1週間後、私は仲間達と共に石巻市の高校で炊き出しを始めました。体育館には約400mEIの方々が避難されており、その方々が出島の皆さんでした。出島は津波でほぼ全壊。自衛隊のヘリでこの高校に救助されて来ました。私たちは約40日間炊き出しを続けました。避難儀初めて温かい食べ物を頂いたと喜んでくれました。復興を進める中で橋を建設する計画が持ち上がり、航路距離で7km離れた島に全長364mの出島大橋が開通しました。あの時、教室で開かれた出島小学校の卒業式の子供達はもう26歳。昨年、復興の様子を視察しに行こうと計画しましたが台風10号の影響で中止になりました。今年はせひ訪れてみようと思っています。

 一方で、愛媛と高知を結ぶ国道33号は未だに連続雨量による規制区間が3カ所あり、大雨が降る度に通行止めとなり、住民の生活に大きな影響を与えています。私は、昨年の2月議会で国道33号の高規格化整備について質問を行いました。過去何度も試みましたが進捗が無く質問できずにおりましたが、2022年末の久万高原町を襲った大雪、また能登半島地震により孤立が発生した危惧があり、県の考えを聞く事ができました。国道22号の砥部地区の改良工事が行われたのは昭和38年。私が生まれた年ですから60年位以上経過しています。景勝地として有名な御三戸から高知県境までは道路の老朽化が顕著です。南海トラフ大地震が発生すれば特に太平洋側の被害が大きいと想定され、瀬戸内から太平洋へ救助や支援に向かう車両が通行できる強い道路の整備が重要。

 このように将来を見据えた活動、また目の前の人口減少や物価高、一次産業の振興や企業支援、教育、文化・藝術の振興など、私に与えられた課題はたくさんありますが、丁寧に向き合って参ります。

 


令和7年2月定例会一般質問


①愛媛の未来を切り開くデジタル人材の育成・確保は?

アメリカの発明家「レイ・カーツワイル」が提唱した、「収穫加速の法則」は、「技術革新が互いに関係し合い、次の重要な発明が登場するまでの期間を短縮し、イノベーションの速度は加速する」ということを表した言葉である。近年のデジタル分野の進歩は凄まじく、中国の企業が低コストで高い性能を持つAIモデルをリリースし、アメリカの半導体企業の株価が一時急落するなど、その衝撃は株式市場にまで大きな影響を及ぼした。かつて我が国は、技術大国として世界から高く評価されたが、IT分野ではそのような地位を確立できず、デジタル後進国という言葉も耳にする。

国は、デジタル技術やデータの活用を通じた、企業の競争力の維持・強化や、行政サービスの改革など、社会全体のデジタル化を進めており、本県も積極的に様々な取組みを行っている。

コロナ禍を機に、オンラインでの会議や商談・取引、テレワークなど、離れた人や組織をつなげるデジタル技術が一気に広がり、地理的なハンディキャップがある一方で、潜在能力の高い人材や豊かな地域資源に恵まれている地方に大きな可能性をもたらした。

本県では、令和3年3月にデジタル総合戦略を策定し、行政・暮らし・産業の分野におけるDXの推進を掲げ、4年2月にはDX実行プランを策定し、産学官の連携による優れたデジタル人材の育成・誘致や、県内産業のDXの力強い推進、県外IT企業の誘致の強化に取り組み、これらの連動により地域経済の活性化を図っている。

同年12月には、デジタル人材の育成・確保を図るため、県と県内4大学が覚書を締結し、各大学で新学部の設置や新しいプログラムの立上げなどが進められ、今春から全ての大学で新たな育成が始まるが、進学による若者の流出が進む本県にとって情報分野の学部設置はその歯止めにもなるほか、県内学生にとって進路の選択肢が増えたことは喜ばしく、卒業生の地元定着に期待が膨らむ。

ヒト、モノ、カネが経営資源の三要素と言われるが、思い描く未来を実現するためには、豊富な人材の存在が最も重要である。

 

【知事答弁】

本県経済の持続的な発展にはDXを支えるデジタル人材の育成・確保が重要。県では、DX実行プランにおいて、デジタル人材1万人輩出という高い目標を掲げ、基礎的なデジタル知識を有し活用できる人材から即戦力となる高度な技術を有する人材まで、県内企業のニーズを踏まえた幅広い人材の育成・確保にいち早く着手し教育機関と連携しながら取り組んできた。

今後は、若年人材が県内企業や地域と接する機会を拡充するほか、8年度に開設する官民共創拠点の活用も視野に、トライアングルエヒメ等を通じた県内企業のDX推進やIT関連企業の誘致等、人材の受け皿拡大にも一層注力しながら、引き続き、産学官連携によるデジタル人材の育成・確保にしっかりと取り組み、地域経済の活性化に繋げてまいりたい。


②災害対策本部でのデジタル技術の活用は?

県原子力防災訓練は、地震による原発事故を想定した上で、ドローンで撮影した映像の精緻な分析による避難経路の確認を始め、様々なケースの避難を想定した実践的な訓練が行われた。この訓練では、伊方町が新たに導入した顔認証システムが活用され、避難者の顔を町職員がタブレット端末で読み取ることで受付が行われた。同システムを利用することで、避難所での受付時間が大幅に短縮されるとともに、町民の避難場所や各避難所の受入状況の確認が容易になるとのことである。

国は、デジタル社会の実現に向けた重点計画を閣議決定した。同計画は、目指すべきデジタル社会の実現に向けて、政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策を明記したものであり、様々な分野におけるデジタル化の取組みが掲げられている。防災分野では、防災デジタルプラットフォームの構築のほか、マイナンバーカードを活用した避難所での受付や薬剤情報等の健康医療情報の取得を始め、罹災証明書のオンライン申請など、被災者の利便性を向上させる取組みが掲げられている。

今後、災害時における幅広い分野の業務で、県・市町ともに、デジタル技術の活用を推進し、災害対応力を更に高めてほしいが、まずは、被害状況の把握や、対応方針の決定、関係機関との情報共有を行う県災害対策本部の統括司令機能におけるデジタル化を強化してほしい。

災害時には、県庁組織が一丸となり、県内市町とチーム愛媛で対応しなければならないことはもとより、自衛隊や海上保安庁のほか、各省庁や応援に駆け付けた自治体など、多くの関係機関が情報を共有の上、連携しながら対応することが求められる。また、災害対応に必要な情報は、人的被害の状況や、避難所の状況、インフラの状況など多岐にわたることから、必要な情報を集約し、多くの関係者と迅速かつ円滑な共有を図るには、デジタル技術をいかに有効に活用するかが鍵を握る。

 

【防災安全統括部長答弁】

激甚化・頻発化する災害から県民の命を守るためには、救出・救助活動など初動対応に必要な情報を迅速かつ的確に収集し、国・市町・防災関係機関と共有することが極めて重要。このため県では、災害発生時に被害情報等を収集・集約し、住民へ避難情報等を発信する災害情報システムの高度化に取り組んでいるところ。

具体的には、ドローン等で収集した現場映像をデジタル解析するとともに、大量の映像情報を集約・活用する機能を実装するほか、国の防災情報システムと連携し、多様な被害情報を収集可能にすることで、県の災害情報システムの高度化を図ることとしている。同システムを新第二別館の災害対策本部オペレーションルームに配備し、災害対応のDX推進により司令塔機能を強化するための経費を、来年度当初予算案に計上している。

システム高度化により、国が保有する道路、河川、港湾等の被害情報や、電気、ガス、水道、通信などライフラインの状況を地図情報で瞬時に入手し、オペレーションルーム内の大型モニタで表示・共有するほか、国や応援自治体等に対し、受援に必要な被害映像に位置情報を反映させ提供することが可能となる。今後とも、進化するデジタル技術の効果的な活用を図り、災害対応力の一層の向上に努めて参りたい。


③諸島部の海上公共交通の維持への取組みは?

地域の公共交通は、長期的な利用者の落ち込みやライフスタイルの変化の影響により厳しい状況にある。これを踏まえ、国は地域公共交通法を改正し、地域の関係者の連携・協働・共創を通じ、利便性・生産性・持続可能性の高い地域公共交通ネットワークへの再構築を進めるための枠組みを創設・拡充した。令和5年の改正では、目的規定に地域の関係者の連携と協働が追加された。

多くの島がある県内で運航される海上交通は貴重な交通手段で、住民の移動や物資の輸送など、命をつなぐ重要な航路である。

松山市陸地部と中島を結ぶ高速船とフェリーを運航する会社は、深刻な船員不足を理由に当面の間、高速船を一部運休すると発表した。同社の航路は忽那諸島の七つの島と同市陸地部とを結ぶ唯一の交通手段であり、一部運休以降、早朝、高浜港を出港する高速船はほぼ満席と聞く。

この航路は、旧中島町が運営していたが、合併に伴い、町から同社に譲渡された。その時の協定には、「中島航路の維持に最大限努めるものとし、航路、運航時間、便数及び運賃を変更する必要が生じたときは、あらかじめ変更しようとする内容について、松山市に通知するとともに、住民の意見を広く聴くものとする」とある。住民代表等との検討会では、一部運休の決定に住民は困惑し、見直しを求めたと聞く。

島では、かつて就航していた海上タクシーが無くなり、 松山市の陸地部へ通う子どもたちは帰る時間を制限される。夜間、体調不良で救急艇で搬送されるも入院の必要が無いと診断された場合は宿泊場所が必要となる。夜に子どもが事故で怪我をした場合もすぐに駆け付けられない。交通を制限されている離島での生活に、更に減便という問題を突き付けられた島民が、一日も早くダイヤが戻ることで、平穏に暮らせるよう切に願う。

一方で、離島航路の運航事業者のみならず、航路事業者を取り巻く環境は、燃油価格の高騰や船員の不足など、厳しさを増しており、今回の補正予算案には、持続可能な公共交通の実現を目的として、省エネ対策や業務効率化、船員確保に資する取組みに対する支援経費を計上しているが、今後の取組みは。

 

【企画振興部長答弁】

県では、県内18の離島航路のうち、利用者の減少等により赤字となり、かつ、他に代替交通手段がない11の唯一航路について、国及び市町と協調して運航欠損に対する補助を行っている。また、その他の航路についても、通勤・通学など、島民の日々の生活のために維持すべきと地域が認めるものは、補助対象とするようかねてから国に要望しているところ。

近年、航路事業者は、利用者の減少のみならず、深刻な船員不足にも直面しており、人材確保が困難であることを理由に減便等に至る事例が生じている。船員の職業紹介は、法令により国の専権事項となっており、自治体ができることは限定的であるが、まずは航路を利用する住民への減便の影響を最小限に留めるよう、市町、事業者など地域が一体となって利便性維持のための方策を講ずることが重要と思料。

県民の暮らしを支える海上公共交通の維持・確保のため、引き続き、国に航路の支援拡充を要望するとともに、航路事業者に対し、船舶の燃費向上等の省エネ対策や、デジタルサイネージによる乗客誘導など省力化に資する設備の導入を支援する他、船員の居住性向上を目的とした船室改装や、採用者募集説明会の開催に要する経費を補助するなど、人材確保に向けた支援にも取り組んで参りたい。


④松山港周辺の賑わい作りにどう取り組むのか?

幕末に瀬戸内を訪れた著名なドイツ人地理学者リヒトホーフェンは、瀬戸内の多島美を称賛し、1972年には、世界的権威を持つ地理雑誌に松山市の二神島が紹介され、その後、アメリカの高校の世界地理の教科書にも掲載された。

世界的にも高い観光価値を有していることは間違いなく、サイクリングしまなみで国際的知名度を向上させた瀬戸内は、我々が思っている以上に世界で注目されている。

このような美しい海の景観を観光資源として活用できる本県では、県内に点在する港を入口に観光客を誘客することで、港の周辺地域はもとより、県内に幅広くその恩恵をもたらすことが期待できるが、現在、松山~小倉間の航路の廃止が発表され、松山港周辺地域のにぎわいの低迷が懸念される。

一方、近年、松山港外港地区には大型クルーズ船が度々寄港しており、宇和島港も含め、今後も県と市が連携して積極的な誘致に取り組んでほしい。

また、県では、海外の超富裕層が保有するスーパーヨットを誘致するためのプロモーション費用を来年度当初予算案に計上している。スーパーヨットは全長約24m以上の高級大型クルーザーを指し、世界では2018年時点で9,395隻あり、2007年の2.14倍に増加している。国は2021年に新型コロナウイルスの収束を見据え、スーパーヨットが国内に寄港する際の税関や入国管理手続きなどの規制を緩和すると決定し、国内最初の寄港地で一旦入国手続きを行えば、内航通行船として国内を周遊でき、これまで寄港地ごとに必要であった審査が大幅に簡素化され、乗組員についても数次ビザが発行でき、長期滞在が可能となった。

スーパーヨットの誘致を契機に、新たなターゲット層を取り込むことで、県内の観光消費額の増加につながることを期待する。

 

【観光スポーツ文化部長答弁】

クルーズ船の運航がコロナ禍から急速に回復し、スーパーヨットのアジア市場への注目が高まる好機を逃さず、瀬戸内海や宇和海に面し、世界に誇る景観を有する本県の強みを生かして、積極的にクルーズ船等の誘致を図り、観光誘客や県内各地への周遊に繋げることが重要。

このため、クルーズ船については、コロナ禍でも継続して、市町と連携し、大型船の運営会社を中心に誘致活動や本県への視察招請、県内周遊ツアーの造成促進等に取り組んできた結果、今年度は5隻の県内初寄港を含む21隻の寄港に結び付けたところであり、今後は、より富裕層客が多いとされるラグジュアリーな小・中型船もターゲットとして、誘致促進に取り組むこととしている。また、海外の超富裕層が所有するスーパーヨットについては、寄港により大きな消費額が見込まれることから、今年度から松山・弓削・宮浦の3港の浮桟橋修繕や給水設備等の受入環境整備を進めており、誘致に向けては、他県に先駆けて、港の利便性や観光情報をPRする動画の作成や、船主等との商談会への出展プロモーション経費等を当初予算案に計上し、ハード・ソフト両面から取り組むこととしている。今後とも、本県が寄港地として選ばれるよう、認知度向上や誘致活動を戦略的に展開し、寄港数の拡大と、港を玄関口とした地域への経済効果の波及に繋げて参りたい。


⑤外国人介護人材の確保と定着への取組みは?

介護保険法は、高齢者を社会全体で支え合う仕組みとして1997年に成立し、2000年に施行された。制度開始以来、要介護や要支援に認定された人は増加し、現在、いわゆる団塊の世代が全員75歳以上となる2025年問題にも直面している。

人々が残りの人生を生きいきと暮らせるよう、介護サービスの充実や介護施設の人員確保が求められている一方で、介護業界は深刻な人手不足にあり、雇用確保のため給与や待遇を向上させる自助努力を行っている。しかし、同法では、事業所が受ける報酬がサービスごとに決まっており、また利用者が介護保険から給付を受けられる上限額が要介護状態の区分別に決まっている一方で、物価高騰や人件費の増加への対応で経営に苦慮している事業者が多くなっている。国の処遇改善交付金による支援も、経営改善にはつながらないとの声を多く聞く。

人手不足により介護職員一人当たりの負担が更に増加すれば、長時間労働、ひいては休職や退職といったケースが増えるおそれもある。政府が主導するワークライフバランスや働き方改革の影響もあり、労働環境は徐々に改善され、離職率は低下傾向にあるが、有効求人倍率は依然として高い。

このような中、外国人介護人材の受入れが、業界の未来を支える手段として注目されている。受入れの仕組みとして、経済連携協定(EPA)、在留資格「介護」、技能実習及び特定技能の4制度がある。このうち、特定技能制度は、即戦力となる外国人労働者を受け入れるため2019年に開始された制度で、母国で技能水準と日本語能力水準を試験等で確認した上で入国し、介護施設等で5年間就労できる。

外国人にとっては、異国で働き、暮らすことは、言葉や文化の違いに戸惑い、悩みを抱えるなど、困難な状況に直面する場面が多くあると思う。

県は、今回の当初予算案に、外国人介護人材マッチング支援事業費などを計上している。

 

【保健福祉部長答弁】

全国より早く少子高齢化が進行する本県では、介護人材の確保は重要な課題であり、令和5年度の介護労働安定センターの調査において、県内の7割を超える事業所が職員不足と回答する中、外国人介護人材は、介護現場からの評価も高く、受入の拡大が期待されている。

これまで県では、EPAに基づく介護福祉士候補者の学習支援や外国人留学生と介護福祉士養成校のマッチング等に取り組んできたが、来年度から新たに、即戦力となる特定技能外国人をターゲットに、募集や面接会の実施から職場の受入に至るまでの伴走型マッチング支援による人材確保に取り組むこととしている。更に、定着促進を図るため、事業者が行う外国人介護人材に対する家賃補助や、コミュニケーションの促進等の受入環境の整備を支援するとともに、県外国人介護人材支援センターにおいては、相談体制を強化するほか、介護技能向上等に関する研修や外国人材同士の交流機会の充実を図ることとしており、所要額を7年度当初予算案に計上した。

全国でも外国人介護人材の確保が重要なテーマとなる中、就労と生活の拠点として本県が選ばれるよう、事業所等関係機関と連携し、メンタルケア等も含めたきめ細かな支援に努め、介護現場で活躍する外国人介護人材の確保、定着が一層進むよう取り組んでまいりたい。


⑥生涯スポーツの振興は?

生涯スポーツとは、一人ひとりのライフスタイルや年齢、体力、運動技能等に応じて、生涯にわたり様々な形でスポーツに関わりを持ち、いつでも、どこでも、誰でもスポーツに親しむことを言う。

近年、モルックというフィンランド発祥のスポーツが人気を博している。ルールが簡単で誰でもすぐに始められるため、競技者の年齢層は幅広く、家族層や世代が異なる人とも競技できるのが魅力で、車椅子でも参加できる。急速に競技人口が増え、全国各地で大小の大会が開かれている。

2001年に世界大会が初めて開催され、2016年からはフィンランド以外でも開催。昨年、アジアで初となる世界大会が函館市で開かれ、約3,300人が参加した。本県でも昨年6月に全国大会が開催され、約1,200人が参加した。

本県では今年9月に、日本スポーツマスターズ2025愛媛大会が開催される。競技志向の高い原則35歳以上のアスリートが参加するスポーツの祭典であり、生涯にわたりスポーツが身近にある社会を体現する大会と言える。

また、一昨年に開かれたねんりんピック愛媛大会も29種目の競技が実施された。グラウンド・ゴルフやゲートボールなど、日頃から親しまれている競技での勝負はもとより、全国の競技者やその関係者との交流も深まった。

人生100年時代や一億総活躍時代と言われる社会においては、高齢になっても健康で働き続けられる体を維持するためにスポーツが果たす役割は大きい。

 

【中村知事答弁】

スポーツは、心身の健全な発達や健康維持、体力の増進はもとより、地域におけるコミュニティの形成や一体感の醸成にも寄与するなど、活力ある社会づくりに不可欠なものであり、県民が生涯にわたって身近にスポーツに触れ、親しむ環境の充実が重要であると認識。

このため県では、県スポーツ推進計画の基本方針の一つに「多様な主体に沿ったスポーツ機会の創出」を掲げ、子どもからお年寄りまで気軽に参加できる愛媛スポレク祭やスマホアプリ等を活用したスポーツ実施キャンペーンのほか、今年度新たに、トップアスリートが親子に対し、ボールを使って体を動かす楽しさを伝えるイベントを実施する等、県民がスポーツをする「場」の提供や「きっかけ」に繋げる多様な施策を展開している。

来年度は、マスターズ愛媛大会の開催を好機と捉え、更なるスポーツ実施率の向上を目指し、県民のスポーツへの参加意欲の喚起に努めると共に、特に実施率の低い若年層女性については、関心の高い健康と美容等に焦点をあて、スポーツの習慣化につなげる取組を開始することとし、所要の経費を当初予算案に計上している。今後とも、幅広い世代がスポーツに親しめる生涯スポーツの振興に積極的に取り組み、誰もが健康で、生きがいを持ち、豊かな生活を送ることができる愛媛づくりに努めてまいりたい。 


令和6年9月定例会一般質問


愛媛県議会令和6年度9月定例会において一般質問に登壇しました。

能登半島における地震と豪雨災害、災害時の孤立を防ぐ強い道路のネットワーク、スマート農業の推進、林業における大径木の活用、ソウル便の活用推進、マイナ保険証の利用状況と今後についてなど6項目の質問を行いました。

 

①災害時の避難所の環境整備は?

 大規模災害時に避難所の生活環境を確保するため、どのように取り組んでいるのか。

 気象庁が今年6月から先月の全国の平均気温は統計のある1898年以降で最も高かったと発表した。先の台風10号の進路は迷走し、専門家にも予測が難しいとされた事は記憶に新しく、主な原因は日本海の海水温の高さであったとされる。また、熱中症で救急搬送される人も増加している。

 このような高温時の災害では、避難所の冷房設備が必要であり、台風10号の際、冷房が無いことを理由に開設されなかった避難所があると聞く。

 一方、能登半島地震では、厳しい寒さにより低体温症のリスクが生じており、避難所の暑さ・寒さ対策は極めて深刻な課題である。避難所に指定されている観点から、学校の体育館への計画的なエアコン整備が必要であると考えるが、まずは発災後のプッシュ型支援により冷暖房器具を速やかに各避難所へ配備できるよう、平時から国との連携を深めてほしい。

 また、同地震は元日に発生し、避難所には帰省中に被災した人を含め多くの避難者が身を寄せ、物資が瞬く間に底をついた事例があったため、十分な備蓄の重要性を再認識するとともに、避難所運営を支援する市職員のマンパワー不足も問題となったことから、自主運営態勢の強化も必要である。

 過酷な避難生活は、災害関連死につながるおそれがあるほか、被災者の心身の負担を増大させ、生活再建への歩みを大きく阻害する要因にもなりうる。

 

【県の回答】

 発災直後、一時的に避難者を受け入れる避難所は、地域の自主防災組織等による自主運営が基本であるが、避難者の心身の健康を維持するためには、市町が、平時から地域の自主運営体制の充実・強化を支援するほか、食料や生活物資等を確保するとともに、避難所開設後は、速やかに暑さ・寒さ対策を行うことが極めて重要である。

 県では避難所支援のため、西日本豪雨災害で国と連携して実施したエアコン等のプッシュ型支援を踏まえ、令和2年度から、冷暖房器具を含めた物資の迅速な支援に向け、オンラインを活用した国との合同訓練を重ね、連携強化に取り組んでいるところ。さらに、避難が長期化した場合に 、市町の備蓄を補完し、住民ニーズに対応できるよう、民間企業等との応援協定による流通備蓄を確保しており、速やかに市町を支援する態勢を整えている。

 また、能登半島地震の支援で得られた気づきや国の自主点検レポートを踏まえ、県が避難所ごとの運営マニュアルのひな型を作成し、市町に対し自主防災組織等も参画したマニュアル整備を促すことで、避難所の自主運営体制の充実・強化を図ることとしており、引き続き、国や市町、協定締結企業等と緊密に連携することにより、大規模災害時における避難所の生活環境の確保に努めてまいりたい。

 

 

②緊急輸送道路の整備にどのように取り組むのか。

 

 松山市と高知県を結ぶ国道33号線には連続雨量規制区間がある。

 近年の豪雨の度に通行止めになり生活に大きな支障が出ている。緊急輸送道路である国道33号は、南海トラフ地震発生の際、瀬戸内側と太平洋側を結び、救助や救援に欠かせない命の道となる。また、四国カルストへ向かう国道440号を生かすためにも国道33号の整備が急がれる。国管理道路ではあるが、県においても国道33号の重要性に対する認識を更に高めてほしい。

 緊急輸送道路は、そのネットワークのどこかに未整備区間があれば、災害時の避難を妨げ、救援活動を遅らせることから、大規模災害時に一人でも多くの命を救うため、早急な全線整備を強く望む。

 

【県の回答・知事答弁】

 緊急輸送道路は、大規模災害時における救助活動や救援物資の輸送等を支える「命の道」であり、速やかな復旧・復興に必要不可欠な基盤であるため、気象災害が激甚化・頻発化するとともに、南海トラフ地震が切迫している状況の中、ネットワーク構築に向けた道路の整備や機能強化は、極めて重要な課題と認識している。

 このため、緊急輸送道路の整備を重点的に進め、県が管理する路線では、8割を超える道路延長で2車線化を実施したほか、危険な法面の対策を約9割完了 させている。

 引き続き、都市部や国道440号小村地区など中山間地域の道路改築等により、災害に強い道路の整備を推進するとともに、国等とも連携しながら、ネットワークの軸となる高速道路のミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化、松山外環状道路などの整備を進めることで、安全性や信頼性の一層の向上に努めている。

 今後とも、県民の命と暮らしを守るため、着実に事業を推進するための予算確保について国へ強く要望するとともに、能登半島地震においても課題となった、多重性の確保等につながる整備を進め、更なる機能強化が求められている国道33号の防災対策などについても関係機関と連携しながら必要性を訴えていくことで、大規模災害に備えた強靭な緊急輸送道路ネットワークの構築に全力で取り組んでまいりたい。

③本県に適したスマート農業をどのように進めていくのか。

  日本の食糧自給率は未だに低い。農業を取り巻く環境は少子高齢化・人口減少に伴う担い手不足が続く。

 一方、農業分野においてICT等の先端技術を用いた生産技術の開発が進められ、数多くの技術が実用化されており、スマート化が進んでいる。県においても、飛躍的な生産性向上が可能となるスマート農業技術の速やかな現場実装により儲かる農業を実現するため、人材育成、技術開発・実証及び社会実装の加速化を図らなければならない。

 農家として一番苦労する作業は農薬散布や水やりであり、先日、農業用ドローンの新型機のデモンストレーションを見学したが、機体自身が面積や高低差を測量し、電柱や電線などの障害物を検知、最適な飛行ルートを設定するほか、散布する液体の粒の大きさまで調整できるなど想像を超える性能であった。

 柑橘や水稲の農家が、作業の効率化・省力化に効果が高いと導入を希望しているが、機器の価格が高く、技能認定資格の取得が必要である。このようなドローンの活用を始め、農業のスマート化を進めるには、中山間地域の小区画水田や急傾斜地の多い本県の実情を踏まえる必要がある。

 

【県の回答】

 担い手の減少や高齢化の進行により、産地の生産力低下が懸念される中、将来にわたって本県農業を維持・発展させるためには、デジタル技術を活用した省力化や高品質化を図ることが重要との認識の下、「愛媛県スマート農業推進方針」を策定し、中山間地域を多く抱える本県の生産環境や栽培状況に適応した「えひめ型スマート農業」の技術開発と現場への早期普及に取り組んでいる。

 具体的には、中山間地の小区画水田での、走行アシスト機能を持つ田植え機やスマホで操作が可能な自動給水装置の導入をはじめ、急傾斜園地等での遠隔操作によるかん水・施肥管理、ドローン防除に適した樹形改造等による省力化や、 高品質化に向けた、衛星画像解析データを活用した米の栽培管理や低コスト環境計測機器の野菜栽培への導入など、生産現場の実情に即した独自の技術開発や現場実装を進めるとともに、ドローン等の機器整備を支援し、スマート技術の定着を後押し。さらにトライアングルエヒメにおいて、民間事業者と連携し、生体情報の計測技術を活用した高糖度トマト栽培や熟練農家の栽培ノウハウの可視化等に取り組むほか、ひめカレでの農業DX公開講座やドローンの飛行実習等によるデジタル人材の育成にも注力しており、これらの成果も踏まえながら取組みを加速し、 本県農業の持続的発展に繋げてまいりたい。

④増加し続ける本県の森林蓄積を踏まえ、今後、県産材の利用拡大にどのように取り組むのか。

 国土の3分の2を占める森林は、人工林の6割が50年生を越えて利用期を迎えている。その蓄積は人工林を中心に毎年約6,000万㎥増加。戦後に植栽された人工林では高齢級化・大径木化が進んでいるが、長らく続いた国産材の需要低迷から間伐等の作業が十分に施されなかったことにより、高品質な製材品にすることが難しい大径木は、需要や用途が限られ、どのように活用していくかが課題となっている。

 本県においても、人工林面積の4分の3以上に当たる17.5万haが利用期である50年生を超え、その蓄積は30年前の2倍に増加しており、今後、この成熟した森林資源の木材としての積極的な活用が林業において大きな課題とも言える。

 県内の企業団体と県が「愛媛県産材の利用促進に関する協定」を締結した。県内企業等の活動において非住宅分野での県産材の利用を促進し、SDGsやカーボンニュートラルの実現に貢献するとともに森林資源の循環利用に対する理解促進と地域産業の活性化を進めるとのことで大変喜ばしい。令和8年春に本県で開催される全国植樹祭は「育てるけん伊予の国から緑の宝」と題し、準備が進められている。全国植樹祭を契機として、森林の整備や木材利用に対する県民の理解が一層深まる事に期待が寄せられている。

  

【県の回答】

 「媛すぎ・媛ひのき」など、全国トップクラスの高品質な木材を供給する本県の森林においては、人工林の大半が伐採適齢期を超え、本格的な利用期を迎える中、林業を成長産業としていくためには、県産材の「増産」、「競争力強化」、「需要拡大」といった川上から川下までの一貫した森林資源の循環利用の促進が重要と認識。

 このため県では、林業躍進プロジェクトに基づき、主伐・再造林や林道など生産基盤の整備等の推進により増産を図るとともに、今月29日にオープンするJR松山駅舎など公共的施設等の木造・木質化や非住宅分野への県産材利用促進、更には大阪・関西万博の大屋根リングへの採用により需要喚起効果が期待できる、県産CLTの都市部中高層建築への利用の働きかけなど、民間企業との連携も図りながら、県産材の利用拡大の取組みを重層的に展開。

 また、大径材の増産・活用を見据え、効率的な利用が可能なツーバイフォー材の加工技術の開発・実用化を図るほか、国内はもとより、アジア諸国を中心とした海外販路開拓など、新たな需要獲得への取組みも一層強化するとともに、全国植樹祭の開催も好機として、木材利用促進協定を締結した企業をはじめ、市町や関係団体等とも一体となった森林資源の循環利用をさらに促進し、林業が持続的に発展し続けていく産業となるよう力を尽くしてまいりたい。

⑤ソウル線を活用した観光客誘致にどのように取り組んでいるのか。また、今回の増便に伴う対応はどうか。

 松山と韓国ソウルを結ぶ航空路線について、来月26日までとしていた期間増便を継続し、同月27日から更に週2便の増便を行うと発表された。

 これにより、松山とソウルが毎日2往復の空の便で結ばれることになり、県の地道な尽力に感謝と敬意を表したい。

 松山空港からはソウル線、釜山線、台北線の3路線が運航されており、 韓国や台湾を観光として訪れる事に加え、乗り継ぎし、さらに世界へとつながることができる。来月27日からはソウル線の増便に加え、釜山線が週6便、台北線が週3便に増便されると発表されているが、特にソウル線は、発着する韓国の仁川国際空港が世界各地に路線を持つアジア有数のハブ空港であるという観点からも重要である。ソウル線は、昨年3月に再開し、その後、デイリー化の増便が実現し、そしてついに毎日2便就航となる。インバウンドだけなく、アウトバウンドにも期待がかかる。

 また、松山空港では今年3月に国際線旅客ビルの拡張工事が完成した。約2倍の延床面積となり、チェックインカウンターや荷物受け取り用のターンテーブル等が増設され、国際線の利用がスムーズになった。

 国が公表した令和5年の宿泊旅行統計調査によると、訪日外国人のうち、延べ宿泊者数が最も多いのは韓国で、次に台湾、中国と続く。コロナ前は中国が最も多い状況が続いたが、現在、インバウンド市場としての韓国の重要性が高まっていることを踏まえ、韓国人観光客の本県への更なる誘客促進に取り組んでほしい。

 また、アウトバウンドについても、今回の増便をきっかけに、県民及び近隣県への積極的な利用促進施策等を強化し、路線の安定運航や本県と韓国との交流拡大につなげてほしい。

 

【県の回答】

 ソウル線による観光客誘致に向けては、運航再開以降、多様な媒体を活用した情報発信や市町と連携した観光施設の利用券配布に加え、韓国人の興味・関心層の分析を行い、人気の高いゴルフに着目して専門旅行会社による視察ツアーの実施や県内ゴルフ場の受入環境整備を支援する他、写真映えスポットなどの SNS 発信や食をテーマとした現地イベント等による PR 展開など、ニーズに応じた戦略的な取組みを進めてきた結果、認知度も高まり、8割を超える平均搭乗率に繋がっているものと思料。来月からの増便に向けては、インバウンドでは、リピーターの確保も視野に、テーマ別飲食店マップの作成や、県内の多彩な魅力の発信や周遊の取組みを強化する他、安定運航に不可欠なアウトバウンドの拡大を図るため、テレビ CM 等による近隣県からの需要喚起に加え、仁川空港での乗継利用による東南アジア等への旅行商品の造成を促進する経費を9月補正予算案に計上。

 この他、利用が最も多い 20 代をターゲットとした大学等での PR や、企業訪問によるビジネス需要の更なる掘り起こしを図る。加えて、先般、直行便を活用し韓国のレスリングやソフトボールチームが本県で合宿を行い、県内チーム等と交流を深めたところであり、今後とも、多様な切り口で利用促進を図り、本県経済の活性化や国際交流の深化に結び付けて参りたい。

⑥本県のマイナ保険証の利用状況をどう分析し、利用促進にどう取り組んでいるのか。

 昨年6月に公布されたマイナンバー法等の一部改正法により、今年の12月2日からは従来の健康保険証の発行は行われず、マイナンバーカードの保険証利用、いわゆるマイナ保険証を基本とする仕組みに移行される。

 マイナ保険証の導入により、データに基づくより良い医療が受けられ、手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除されるとともに、確定申告時に医療費控除が簡素化し、そして何より、医療現場で働く人の負担を軽減できるなどのメリットがある。私も病院でマイナ保険証を利用しているが、特に今までの紙の保険証と変わらず、不便を感じた事はない。

 消防庁がマイナ救急実証事業を開始しており、これは傷病者情報を正確かつ早期に把握する事により救急活動の迅速化・円滑化を図る取組みで、本年5月より全国で順次開始されている。傷病者が救急隊員へ自分の病歴や服用している薬などを説明する負担が軽減できるほか、意識が無い場合にも、マイナ保険証から正確な情報を得ることで、搬送中の応急措置をより適切に行うことができ、受信歴を踏まえた搬送先の円滑な選定にもつながる。私の家の前は四国遍路道であり、お遍路さんが時に体調を崩し、救急搬送される状況を見た事があるが、彼らがマイナ保険証を持ち、救急車にカードリーダーがあれば、正確な情報を取得し、搬送先との連携も円滑に行える。

 また、久万高原町から松山地域の2次救急の病院へは遠く、搬送に時間が掛かるという問題も抱えており、同様の地域は県内に多くある。

このようなデジタル技術の活用は、今や私たちの生活に欠かせなくなっており、また、従来の保険証には写真が付いていないため、なりすましでの受診や身分証明書としても不正に使用される事案が多く発生していたと言われている。マイナ保険証では本人確認ができるためこのような事案を防止でき、何より、発行による郵送コストの低減や事務作業の効率化が進む。

 国の諮問機関の資料で、本県のマイナ保険証の利用実績を見ると、病床が20床以上ある比較的大きな病院の利用率は全国値より高いものの、それ以外の医療機関と薬局の利用率は低くなっていることから、国が進めるマイナ保険証の利用促進に県の立場でも前向きに取り組んでほしい。

 

【県の回答】

 厚生労働省が公表した7月のマイナ保険証の全国の利用率は11.13 %で、全国的に利用が進んでいない中、本県の利用率も8.81 %と低調な状況。厚生労働省では利用が進まない理由として、窓口でマイナ保険証の説明をすると受付が遅れることや、薬局では処方箋のみでの受付が可能で、代理の方が薬を取りに来ることも多いことなどを挙げており、本県でも全国と同様の状況があると思料。県では、マイナ保険証のメリットの浸透と、 移行後の医療機関等での混乱 防止の ため、できるだけ多くの方に早期にマイナ保険証を利用いただくことが必要と考え、これまでに、公立公的病院や医師会、歯科医師会、薬剤師会及 び各保険者に対し、窓口での声掛けをはじめチラシの院内掲示など利用促進に関して公文書等で依頼するほか、協会けんぽと連携した事業者等への働きかけや、特定健診の受診勧奨広告を利用した周知、県職員への率先した利用の呼びかけなど利用促進に努めてきた。

 今後も、愛媛県保険者協議会等を活用して全ての保険者等と連携して利用促進を図るほか、国に対し、全国知事会を通じて、国民の不安払拭や一体化の意義について理解が進むようメリットや安全性について丁寧に説明を行うよう要望しており、引き続き、マイナ保険証への円滑な移行について万全を 尽くすよう国へ求めて参りたい。